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ワザ研 − リーダー達のワザ研究 −

奮闘するリーダー達には元気がぎっしり。"ワザ研"では裏を取材して、
皆さんの「快適」と「スムーズを支えるリーダー達の物語を取り上げてゆきます。
赤穂パークホテル 塚本様
▼ワザ研調査報告 第9回
「食べた人の記憶に残る、めざす料理はそんな共感を仕込むこと!!」
赤穂パークホテル
洋食調理長 塚本 啓介
取材:窪一(ホットワイヤー・プロジェクトリーダー)

 2004年秋。原油高騰によりガソリンがリットルあたり120円を超えている。しかし、我々はそれよりも高い水を買い求めている。生活者のあくなき食への渇望は、もはや美食というものさしにはおさまらない。調理の現場で、プロは包丁を砥ぐように、食の安全へのこだわりが求められている。
 先の特集で、赤穂パークホテルにリピーターがつめかけるランチ取材にうかがった。そこで僕らは若い洋食のリーダーに出会った。それが塚本さんだ。彼の一歩もひかない,
こだわりの基本は「食べてもらいたい」なのだ。是非とも塚本さんの話が聞きたくなって、インタビューを申し込んだ。

*きっかけは3分クッキング
 取材当日、約束時間にたずねると、塚本さんは仕込みの真っ最中で肉塊に向かっていた。調理場の空気はひりひりとするような緊張感と気迫に満ちていた。

 「今、(ホテルより)街場のレストランで働いている子らに勢いがあるよね、元気があるのは、そうしたところじゃないの」気負った僕の取材姿勢をスルっとかわして、インタビューはスタート。「料理人をめざしてゆくきっかけはね、テレビでやってた3分間クッキングなんだ」そう語る塚本さんは先ほどの厳しさとうって変わってニコニコと穏やか。「調理学校を卒業するころ、ポートピアホテルがオープン予定、調理人を募集していた。そこに応募と自分の目標をおいていたけど、実は姫路のレストランが最初の修行場」

 お父様の"つて"で、地元エリアのレストランにて修行をはじめたそうだ。そこの料理長はつとに厳しかった。「大きな処との違いは、いろんな仕事が経験できたこと。昔かたぎの料理長のもと、よう教えてもらえましたよ。」「料理の修業って、独特の厳しいルールがある。いつもまわりより腕をあげたかったし、昔、作った三分間クッキングのレシピで素人の自分の料理を美味しいと言ってもらえたおもい。それで上を向いて来れた」

 このレストランで2年をこえて勤め上げ、料理長について大阪のホテルで働くことになる。そこでも手取り足取りなんて教えてくれない。ジャガイモの皮を剥きながら、目で仕事を盗む。盛り付けだとか、火加減だとか。常に見る事をまず覚える。

 「記憶はあいまいなものだから、仕事を終わってからノートをつけるのよ。盛り付けを思い出してね、絵にかいてみる。余ったソースを舐めてみて、飲んでみて、覚える。記憶に刻むことが大事なんだ。そのときわからなくても、だんだんと経験を積んで次の段階に移るときにわかってくる。」と塚本さん。ただ、誰もが腕をあげるわけではない「教えてもらっても出来ないんですよ。作ってみたいと本当に思えなければね。」
イメージ

*記憶に残る料理を目指して
 その後、塚本さんは神戸のホテルオークラにチャンスを得る。それも20人のコックさんで構成されるフレンチのメイン・ダイニングだ。今までの現場と違って、そこでは一つ一つの作業が細かく分けられていた。経験を積むに従い、無数のステップがあるのだ。それをこなしていけないと残れない。

 「ソース作る人はソースを作るだけ、魚やお肉を焼く人は焼くだけ、その一つ一つにオークラであることが求められる」ガルニ(温かい付け合せ)を1年、そして次にお肉や魚を焼くポジションを経験する。

「ヒルトンやプラザ。 有名どころからいろんな経験者があつまり、さまざまな技が行き交う。それぞれのポジションで仕事を突き詰めてゆく」料理人の華やかな舞台。そうして鍛えた料理の基本はフレンチ。だけど日本人だから、天麩羅、寿司、刺身の世界観が自分のなかにある。どのようにそんな「日本」を基本の上に広げてゆけるかが塚本さんの料理の方向だそうだ。

 「料理はね、何年、どこどこで仕事をしてきたかでは計れない。何をやってきたかが問題なんだとおもいます。基本的なこと、仕込みのこと、なおざりにしないで頑張ってきているか。どうした仕事をしてきたか。それが自分に備わってくるものなんですよ。」
 どこにいたって、必死で上手になりたい、なんとかして料理を学ぼうとすることでしか自分を伸ばすことはきないんだよね。言葉にすると「職人」って言うことになるんだけど、そうしている奴は自然とわかる。

 「僕たちの作る料理は、形で残らず、お客様の美味しいという記憶に残るもの。」そうした人に食べてもらいたい料理をつくる。だから、食材もこだわるのよ。大切な人に農薬ついてる食材、食べさせられないでしょ。
 それを共感できる仲間、そして受け取って下さるお客様。塚本さんが料理をつくり届ける仕事はうれしい、美味しいがいっぱいなのだ。

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