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ワザ研 − リーダー達のワザ研究 −

奮闘するリーダー達には元気がぎっしり。"ワザ研"では裏を取材して、
皆さんの「快適」と「スムーズを支えるリーダー達の物語を取り上げてゆきます。
アークホテル京都 池本料理長
▼ワザ研調査報告 第4回
「季節のもの、年に一回しか出せないんですよ」
アークホテル京都
池本料理長
取材:窪一(ホットワイヤー・プロジェクトリーダー)

京都で、昼、夜ともに利用者の評価が高いアークホテル京都の京料理「味舞(みぶ)」。ホテルが面する四条通りは、車の往来も多く一見、都会の風景。二階にあがり、暖簾をくぐるまでの間に空気が変わってゆくように感じる。
 七人の料理人を率いる池本料理長の出身は播州赤穂とのこと、学生時代のアルバイトで入ったレストランがきっかけで自然と料理の世界に入っていたそうだ。最初の修行先は姫路であったものの、出入りの業者さんの紹介で京都へやって来られた。

*1.京職人の修行時代、不安はありませんでしたか。
 「料理の世界にはいったのは姫路。その頃は味付けを教えてもらっていませんでしたから、料理の味付けを教わったのが京都でした。京都はやっぱり、琵琶湖が近いので川魚よく使います。播磨で育ちましたから、小さい頃、川魚で食べるゆうたらうなぎぐらい。鮎なんて食べた事なかったです。そういったとまどいはありましたね」

 池本さんの語りはとてもゆっくり。気が付くと、話を聞く我々の姿勢も自然と独特な時間の流れにあってきている。

 「僕が思うには、一人の師匠にずうっとつくよりは、ある程度、3人ほど複数の方についた方が良いと思いますね。落語家さんなんかは一人だけって言いますでしょ。けど、うちら料理の職人はやっぱり、何人もいていいと思うのですよ。その方々によって同じしなものをつくるにも、違いがありますから。出来上がったものは同じですが、やり方がやっぱり人それぞれありますので、何人かの人について勉強した方が良いと思いますね。」

 約10年ほどの修業時代、三度店を変わったと言う。その間におよそ50人の料理人が池本氏の前を行き交い、その内半分も料理の世界に残っておられないとの事。修行は、なによりも料理が好きだったからただがむしゃらに頑張り通したそうだ。

*2.むかしながらの料理修行
 「和食の場合、年に一回しかでない食材ってあるでしょ。例えば「たけのこ」。年に一回しか出ません。丁度今時分なんですけど、献立が終われば、来年の2月とか3月まで出来ないわけですよ。すると味つけする機会は来年まで巡ってこない。」

 京料理の場合一部のものを除き、創り方を書面に落としているものが無いそうだ。自分の舌と体で味を覚えて行くしかないとの事。

 「おみそ汁みたいに、毎日毎日やっていたら、ぶれのない味に出来る。だけど一年に一回だけだから、すぐにはうまいこと味付けられない。あまかったりとか、からかったりするわけです。それを何年も何年もやって体で覚えてゆくんです。最低10年くらいは、なんぼ早い言うてもかかるんですわ。」

 店によって違いはあるものの、基本は体で覚えていくんですと語る。
*3.京料理のゆずれないもの
 「京都の職人さんは、お野菜の煮つけとかは他の職人さんに負けないのと違いますか。京都の味付けは薄いとよく言わはるけど、ただ薄いだけやったら、おいしないでしょ。」

 そうした味付けに加え、うつわや盛り付け、目にはいるものもさることながら、季節のはやどりを楽しんで欲しい。池本氏はそう言う。

 「春はたけのこ、夏は鱧、秋はまったけ、冬はかぶら、えび芋。八百屋さんに並びだす前に献立にもりこみます。京都の方は蒸し物はお好きですから、たけのこなら 若筍、蒸し鱧なら、出始めはおとし(*1)。まったけは土瓶蒸し、えびいもはいもぼう。家庭に並ぶまえに献立にしますね」

*1 鱧おとし:活鱧をお湯をくぐらせて、さっと氷水に通した代表的な一品もの。皮が縮み、身が開くことで丸くなる。

 京都の料理にとって、琵琶湖の魚はとても大切な食材。しかし、最近では数が減り、鮎やもろこといった素朴なものが手に入りにくくなっているそうだ。手に入らないとつくれない、そんなジレンマがある。

 気が付くと、インタビューを見失うようにゆったりと話し込んでいた。京都には独自の「あたりまえ」がある。京都以外の者がその内側へ踏み込もうとすると見えない壁があるようで簡単じゃない。日常の流れに合わせる、同じリズムで一緒に歩いてみる、そうすると少しづつ大切な何かが見えてくる。池本氏は短いインタビューをとおして、京都に触れてゆく、そんな大切コツを教えてくれた。


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