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ワザ研 − リーダー達のワザ研究 −

奮闘するリーダー達には元気がぎっしり。"ワザ研"では裏を取材して、
皆さんの「快適」と「スムーズを支えるリーダー達の物語を取り上げてゆきます。
ホテルクライトン新大阪 中井様
▼ワザ研調査報告 第8回
「<今>と<ここ>だけじゃなくてね、未来を想像する力が大切よ」
ホテルクライトン新大阪
フロント・マネージャー 中井 敏雄
取材:窪一(ホットワイヤー・プロジェクトリーダー)

 「窪さん、こうした機械もん、好きですなぁ」中井さんはインタビュー用のボイスレコーダを興味深げにながめながら、楽しそうに笑う。僕は照れてつい余計な一言をしゃべってしまうのだ。この一言で周囲の空気は一気に和やかに、そしてはずんでゆく。中井さんとの打ち合わせはいつも、このように動き出す。
 ホテルの中にプレーヤーは最低3人はいる。オーナー、管理者、スタッフ。クライトン新大阪のオーナーは現場に居て自分「達」のホテルについて夢を伝えているのだと中井さんは言う。「経営・管理チームとスタッフの恋愛みたいなものですわ。それが届くと自分のリスクで立ち上がって成功も失敗も心地良い体験になってゆくんです」

*希望と失望
 就職活動時、担当教官が提示するリストは現場仕事やルールの甘い職種が並んでいた。中井さんは、リスト越しに、おそるおそるホテルはないかと聞いてみた。一箇所、先輩の行っているホテルがあった。大阪南船場にあったホテルDoスポーツプラザだ。学校から7人位と一緒に採用面接を受ける事になった。この面接で中井さんだけが選ばれたのだ。

 この頃、大阪はホテル開業ラッシュに沸いていた。あちらこちらにホテルが立ち上がっていたのだ。動いているチームから光る人材がスカウトされ、新しい場所に集められてゆく。中井さんの職場も例外ではなくて、どんどん人が引き抜かれていったそうだ。

 「関西のホテルでは、あちこちの立上に先輩がどんどん引き抜きにあってゆくんです。」 残されたレストランや宴会サービスの中で、自分や同期はどんどん上に引き上げられてゆく。いやがおうにも日々の仕事をこなし、昨日まで上司が手配していた業務も自分がまわしてゆくようになっていった。3年が過ぎたある日、声がかかった。心斎橋の日航ホテル大阪だ。

 「あの頃の日航ホテル大阪は、ホテルプラザ特有のスタイルとヒルトンのカラーが混在してましたね。どちらでもない我々は立つ瀬が無く、辛かった」
 今は廃業してしまったが、ホテルプラザは大阪ホテルカテゴリーのリーディングブランド。プラザ出身だから、またはヒルトンにいたと言う制服派閥が生まれたのだろう想像は難くない。新規開業したシティホテルの現場にどちらにも属さないと仕事が進めにくい場合があったのだろう。

 失意のまま次の京都ホテルへ転職。自由に活動する場を得た中井さんは京都ホテルで宴会を取り仕切るようになっていた。 「まぁええからおいでや。」と再び声がかかった。開業後3ヶ月のヒルトン大阪である。移るとそこには日航ホテル大阪時代の出身者が数多くいた。「日航ホテル大阪を途中で辞めた環境とそっくり。その時に抱えた派閥の人間関係諸問題を解決せずに辞めてるもんやから、正直、逃げた場所にもう一度連れてこられたような気持ちでしたわ。人は、そうしたもんを越えていかないかんのです。」

イメージ


*人とのつながりを大事にしたい
  中井さんはここで、自分が大事にするべきものを考えた。そうしないとホテルでの仕事続けていけなかったのだ。「人間関係のプレッシャーに加えて、ほとんど初めての中華の世界。本当に一から出直しでした。」

イメージ 見つけたのは孤独だけど、自分が信じる人との[つながり]を尊重する事。中井さんはこれを軸にやってきた。すると未来に人の縁が繋がってくる。 「<今>と<ここ>だけを見ててもダメなんですよ。10年先、20年先、仕事の接点がないかもしれないけど、どうしているかなって考えるんです。そうすると頭からその人、消える事ないですよね。そんな風に関係を拡ろげてきたんですわ」

「ホテルマンって人のため、お客さんのためになにかやりたいと言う集団なんですよ。そうした場所が大切に思えるスタッフが出てきたかな。」
 クライトン新大阪で13年目。自分が苦労してきた事だからこそ、中井さんはチーム作りに神経を使っている。それを支えるスタッフも育ってきている。

 昨今の自動チェックイン機に代表される人との接点を効率だけから考える風潮を批判する。「やっぱり最後は人ですよ。マンパワーを育てなきゃ」。

 今、ホテルの現場にクリエイターが少ない。結果、目の前の問題を解決する前にあきらめてしまう。やりぬく事とは、バツグンの解決策だとか、惚れ惚れするような仕事っぷりといったゴールへの道。それは机の上じゃなくて、動いてみる、やってみる力とあきらめないで考え抜く力が必要なんじゃないか。あこがれや夢を胸に、未来をあきらめない粘りを中井さんはもっていた。


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